FD1231Tのアクセスランプを交換しました。

パソコン

古いパソコンをいじるときに電源ランプを緑、アクセスランプを赤にするのが好きなのですが、後期のPC-9821に採用されているFD1231Tは下手に分解したらトラッキング位置がずれて正常に読み書き出来なくなってしまいます。
(正確に表現すると、読み書きは出来るけど他のドライブとの互換性がない状態になります。)

FD1231T品番のドライブの主な形状は次の写真のように2種類あるようで、左側のものは一切分解せずにLEDを交換することができますが、問題は右側のものです。

右側のモデルは前方と後方に基板がありますが、後方(インターフェース側)の基板上にトラッキング用のセンサーが固定されているので後方の基板を取り外すと復元は困難になることが知られています。

アクセスランプは前方の基板なのでこちらは直接センサーとの関わりはありませんが、前方の基板のLED部分に触れる為にはディスク回転用モーターを固定しているプレートを取り外さないといけないので、必ずトラッキング位置がずれてしまうことになります。

そこで実際に何台かのこの型式のFD1231TのLED交換をしてみて再調整が比較的容易にできた方法を記載しておきたいと思います。

※ご注意として、あくまでも比較的容易にできた方法ということであって、目視と指先の感覚でトラッキング位置の調整をするのはやはり根気よくリトライする必要がありますし、必ずしも元に戻せるという保証はありません。

💾用意する道具💾
・セロハンテープ
・マスキングテープ
・デザインナイフ
・1.25MBでフォーマットしてあるフロッピィディスク
・1.44MBでフォーマットしてあるフロッピィディスク

1.まず最初に取り外すモーター部分のプレートの周辺4カ所にセロハンテープを貼ります。このときの貼り加減は張り詰めず緩まずというくらいです。

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2.写真では判りにくいですが、デザインナイフで隙間の真ん中あたりを切ります。出来るだけ新品の刃を使って力を入れないで切れるようにしてください。



3.切れたらネジを緩めてプレートを外し、基板を露出させLEDの付け替えを行います。

4.LEDの付け替えが終わったら再びプレートを乗せてネジを全て差し込み、4カ所全てのテープの切断面がぴったり合う位置でネジを仮止めします。

5.仮止めしたドライブをパソコンに接続し、1.25MBでフォーマットされたディスクが読めるか確認します。

6.読み込みできなかったときはドライブを外してネジの仮止めを緩めてテープの切断面を合わせるところから繰り返します。読み込みが出来たら、念の為そのドライブで1.25MBフォーマットを行ったディスクが他のドライブでも読めることを確認します。

7.このドライブでフォーマットした1.25MBディスクが他のドライブでも読めることを確認したら、次に1.44MBでフォーマットされたディスクが読めるか確認します。

8.運が良ければ1.44MBディスクも読めますが、1.25MBディスクより僅かに密度が高くそのままでは読めないこともあります。その場合は、ドライブを取り外し、マスキングテープをピンと張った状態で貼り付けてから仮止めのネジを緩めます。(万が一のためにセロハンテープは剥がさないほうが良いかもしれません。)



9.マスキングテープが剥がれたり破れたりしないように力加減に注意しながら、上下方向を調整してからネジを仮止めしてパソコンに接続し、1.44MBディスクが読めるようになるまで確認と調整を繰り返します。(マスキングテープの僅かなたわみ量を目安に、ドライブの奥→手前、もしくはその逆の方向で何カ所か調整すると良いと思います。)

10.無事にディスクが読めたら1.25MBの時と同じようにこのドライブで1.44MBフォーマットを行ったディスクが他のドライブでも読めるか確認します。

以上でトラッキングの微調整が出来ました。

過去にヘッドのシークモーターの固定角度を調整してトラッキング位置を治したこともありますが、それに比べたら回転モーター側の再調整は簡単な方だと思いました。

ワンポイントとして、必須ではありませんがテープを貼る前にフレーム等をパーツクリーナーで脱脂しておくと良いと思います。

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